まずはオービスの種類を把握しよう!
オービスの種類は8種類、
キャラクターを把握し、位置を知る─
これがオービス対応の極意です
「オービス」とは、無人で自動的に設置場所を通過するクルマのスピードを測り、クルマ(車両ナンバーからドライバーまで)を撮影し、速度違反を取り締まる「自動速度取締機」のこと。一般道や高速道路などで「速度自動取締機設置路線」とか「自動速度取締路線」などと表示された警告板を見かけることがあるかと思いますが、その警告板の先で待ち受けているのがオービスです。
そもそもオービスとは、アメリカ・ボーイング社が開発し、日本の東京航空計器がパテント生産を始めたループコイル式自動速度取締機の商品名(ラテン語で「眼」の意味)なのですが、一般的に「自動速度取締機」の総称(俗称?)として使われています。
現在、ひと言で「オービス」といっても、スピードの測定方法や画像の処理方法、メーカーの違いなどにより様々なタイプがあります。まず、簡単に各オービスのプロフィールを紹介しておきましょう。
Li
LiH
レーザー式
ループコイル式オービスの撮影ユニットを流用し、レーザースキャンによる速度計測方式を採用した、最新の固定式オービス。路面にループコイルを埋める費用と手間が省ける上、ループコイル式同様、レーダー探知機が効かないという防御力を誇っています。現時点では大阪府警が採用しているのみですが、今後、増殖する可能性大です。
速度計測をレーザースキャン方式で行う新兵器!
1.レーザー式オービス
デビューは2018年、突如、大阪府阪南市の国道26号線(第2阪和国道)上りに登場しました。一見、旧型のL型オービスに似ているが筐体中央部の窓からレーザー波が発光され、速度を計測しています。
2.レーザー式Hシステム
Liと同時期に大阪府豊中市の国道423号線(新御堂筋線)北行きのHシステムに代わり新設。一見、LHに見えますが、よく見ると路面にループコイルが埋まっておらず、その代わりに手前の路肩になにやら見覚えのない箱が。実はこれが、レーザースキャンユニットなのです。
H
LH
高速走行抑止システム
現在、設置機数的にも主流となっているHシステムの仲間は3種類。なかでもLH システムはNシ ステムの一部機種ともよく似ており、要注意です(Nシステム:自動車ナンバー自動読取装置)
撮影→即転送のハイテクオービス!
1.元祖Hシステム
大阪&兵庫の阪神高速のみに多数設置されている、国内初のHシステム。見るからに無骨な大きな四角い箱の真ん中にある丸いレーダーで速度を測定し、左右のストロボ&デジタルカメラで違反車を撮影します。その映像とデータを中央システムに送る「電子画像撮影・伝送方式」が採用されています。
2.Hシステム
1992年に登場した新型Hシステム。正式名称「高速走行抑止システム」の「高速=High Speed」の頭文字「H」をとって「Hシステム」と呼ばれています。四角形の白いレーダーアンテナで速度を測定し、別体の小型赤外線ストロボとデジタルカメラで撮った映像とともに中央装置に伝送します。
3.LHシステム
デビューは1994年。レーダーではなく路面に埋め込まれたループコイルで速度を測るところから、「LOOPCOIL」の「L」をとってLHシステムと称されています。白いアンテナが特徴のHシステムと異なり、これといった特徴はない上に、日本全国でよく見かけるNシステムにも似ているので要注意です。
R
SS
レーダー式
速度警告安全システム
消えていくレーダー式オービス。新たにステージに登場するのは、
特殊な4Dマルチトラッキングレーダーを用いた
超高性能な速度警告安全システム、SENSYS SSS!
老朽化で休眠も…
レーダー式オービス
手前に設置されたレーダーアンテナで速度を計測し、カメラで違反車を撮影するシステム。複数車線の場合、アンテナはそれぞれの車線に対応して複数設置されているケースがあります。が、基本的にカメラは1台なので、取り締まっているのは1車線のみです。
SENSYS SSSは生活道路にも対応する新型オービス!!
センシス・速度警告安全システム
この新型オービスはスウェーデンのSensys Gatso Group社製の「SENSYS SSS(Speed warning Safety System)」で、1機で複数車線・複数車両を同時に計測して取り締まることが可能な新世代のレーダー式デジタル高性能機です。
速度違反車両の取り締まりだけでなく、歩行者に対して違反車両の接近を知らせるサウンドアラーム機能を持つなど、生活道路の安全性能にも配慮されているのが特徴です。
現在、埼玉県北本市・国道17号線上りと岐阜県大垣市三塚町・市立東小学校前の2か所に先行設置されています。警察庁では速やかな全国展開を明言しているので、今後の新設情報には注意が必要です。
L
ループコイル式
外見的には路側に撮影装置が立っているだけ。
様ざまな路側の設備に紛れたりしていると実にわかりづらいです。
現在、外見はほぼ同じで通信機能を持つデジタル機に世代交代が進んでいます
シンプルなオービスが高速/一般道を問わず、増殖中!
一般的にループコイル式計測システムでは、6.9m区間に3組のループコイルを一定間隔で埋め込み、1番目のスタートループコイルから3番目のストップループコイルまでの所要時間でスピードを測定します。ちなみに2番目はコントロールループと呼ばれ、中間点をチェックします。計測区間内での速度変化が激しいなど、クルマが異常走行した(安定した計測が行われていない)と見なしたときに撮影を中止させる役目を持っています。
そうはいっても、実用上、センサーの正確な感知を邪魔する要素は少なくありません。過去の裁判で誤計測の判例もあります。
このループコイル式も老朽化が気になるところですが、2003年にはCCDカメラで撮影した映像を中央装置に送るという2車線対応のハイテク版が首都高に登場しました。
また、外見はほぼ従来通りですが、通信機能を持ち、デジタル化された新型機の新設・代替えが進んでいます。